外部研究費. (1) 執行計画 外部研究費を使用する教員はあらかじめ執行計画書を学長に提出する必要があるが、執行計画による経費の配分はあくまで目安であり、特に拘束されないということである。個別研究費ごとの収支簿(予算管理簿)の中に執行計画の費目別の予定金額が記入されていない例も見られた。 執行計画自体が形骸化している恐れもあることから、実際の支出が執行計画の経費配分から大きく外れる場合には研究者から理由書の提出を求めるなど、執行計画が外部研究費の適正な執行に寄与できるように、その運用について見直すことが望ましい。 (2) 奨学寄附金の受払報告 外部研究費の管理及び執行状況を明確にしておくために、収支簿を備える必要があるが、奨学寄附金では払出内訳表や受払報告書が収支簿の機能を担っている。ただし、払出内訳表や受払報告書の様式としては、支出費目別の内訳を示すことになっていない。 執行計画との対比もできるよう受託研究や共同研究と同様に支出費目別の内訳を示したものを作成することを提案する。 (3) 受託研究、共同研究に要する経費 委託者あるいは共同研究の相手先が負担する経費としては、当該研究遂行に必要な経費に相当する額及び管理経費とするとされている。 共同研究の海外旅費の目的に留学志願者との面接(大学院生の確保のため)が含まれるものが見られた。海外旅費自体はこの共同研究の執行計画でも想定されており、国際会議の出席や情報交換が主な目的である。共同研究の相手先に了承されている限り、国際会議出席とともに留学生志願者との面接を行っても契約上は問題ない。ただし、留学生の確保は共同研究の目的とは直接関係ないと考えられ、しかも必要であれば大学として予算化し、計画的に対応すべき性格のものと考えられる (学部留学生の確保は予算化済み)。大学院生を含めた留学生確保のための経費については、受託研究や共同研究から支出しないことが望ましい。 (4) 科学研究費補助金の収支簿 科学研究費補助金の収支簿は作成されているが、摘要欄の設備備品や消耗品の品名・数量、あるいは旅費の旅行者名や旅行先など、国の定める様式で記入することとなっている事項が一部省略されていて記入されていない例が見られた。関係証拠 書類との照合をしやすくするためにも収支簿への正確な記載が求められる。 (5) 受託研究、共同研究の収支決算 研究担当者は研究完了後、受託研究(あるいは共同研究)完了報告書とともに収 支決算報告書を学長に提出し、学長は市長に研究完了を通知することとなっている。受託研究についてはさらに市長から委託者に報告される。また、学長は収支決算報 告書に基づいて学部総括表を作成し、市長に提出することとなっている。 予算管理簿と収支決算報告書を照合したところ、金額としては一致しているが、研究のまとまり(予算管理簿での複数の研究を収支決算報告では1件としてまとめて行っている)や研究者名が一致しておらず、照合を難しくしている例が見られた。統一的な研究単位や研究者名で管理することが望ましい。また、総括の収支簿は学部総括表で代替されているが、管理上、奨学寄附金の受払報告書のような個別研究が一覧できるような収支簿を作成することが望ましい。
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外部研究費. (1) 執行計画 外部研究費を使用する教員はあらかじめ執行計画書を学長に提出する必要があるが、執行計画による経費の配分はあくまで目安であり、特に拘束されないということである。個別研究費ごとの収支簿(予算管理簿)の中に執行計画の費目別の予定金額が記入されていない例も見られた概 要 外部研究費とは、市の予算であらかじめ確保されている研究費ではなく、民間など大学以外から寄附、委託、補助によって提供される研究費のことである。奨学寄附金と受託研究、共同研究の3つを外部研究費とする場合もあるが、ここでは次表のように科学研究費補助金(以下、「科研費」という。)も含めて、対象とした。 執行計画自体が形骸化している恐れもあることから、実際の支出が執行計画の経費配分から大きく外れる場合には研究者から理由書の提出を求めるなど、執行計画が外部研究費の適正な執行に寄与できるように、その運用について見直すことが望ましい奨学寄附金、受託研究、共同研究の研究費はいったん市の歳入として受け入れ、その後、大学に交付される。各研究費の執行管理責任は学長にあり、また、管理費として研究費受入れ額の 10%が大学の歳入となっており、適切に管理することが求められる。大学としても次表のような要綱等を整備して円滑な受入れと弾力的な執行を図っている。 科研費については市の歳入及び歳出としては計上されないが、原則として研究者の所属する大学が研究費の管理実務を担うとされている。その手続は、下表のような国の規程や通知に従って行うこととなる。 奨学寄附金 学術研究に要する経費等、教育研究の奨励を目的とする経費に充てるべきものとして民間等から受ける寄附金等 寄附者から申込→地域・産学連携委員会の意見→市受入れ決定→寄附金受納書→市へ寄附金納付(歳入)→大学へ研究費交付→寄附金 の執行→年度終了後に報告 受託研究 外部からの委任を受けて委託者の負担する経費を使用して公務として研究し、その成果を委託者に 報告する制度 委託者(共同研究は本学教員)から申込→地域・産学連携委員会の意見→市受入れ決定→受託・共同研究契約→市へ研究費納付(歳入) →大学へ研究費交付→研究費の執行→年度終了後に報告 共同研究 民間等から研究者及び研究経費を受け入れて、教員と民間等の研究者とが対等の立場で共通の課題について共同して研究を行うことにより、優れた 研究成果が生まれることを促進する制度 科学研究費補助金 わが国の学術を振興するため、人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野における優れた独創的・先駆的な研究を格段に発展させることを目的 とする研究助成費 応募→文部科学省・日本学術振興会で審査→交付内定→交付申請→交付決定→大学に補助金交付→大学受入れ→研究者に配分→補助金 執行→年度終了後報告 外部研究費 要綱・規程等 奨学寄附金 ・「北九州市立大学奨学寄附金取扱要綱」 ・「北九州市立大学国際環境工学部奨学寄附金取扱規程」 受託研究 ・「北九州市立大学受託研究取扱要綱」 ・「北九州市立大学国際環境工学部受託研究取扱規程」 共同研究 ・「北九州市立大学共同研究取扱要綱」 ・「北九州市立大学国際環境工学部共同研究取扱規程」 以上共通 ・「北九州市立大学国際環境工学部外部研究費の執行に関する規程」 科学研究費 補助金 ・「科学研究費補助金取扱規程」(文部省告示第 110 号) ・「科学研究費補助金(科学研究費)の取扱いについて(通知)」(14 文科振第 135 号)等 国際環境工学部における外部研究費の受入れ実績は次表のとおりである。平成 14 年度は 75 件、1億 6,951 万円であり、前年度から件数で 1.5 倍、金額で約 2.5倍の伸びを示している。 表Ⅱ-24 北九州市立大学国際環境工学部における外部研究費の受入れ状況 (単位:千円) 平成 13 年度受入れ 平成 14 年度受入れ 対前年比 件数 金額 件数 金額 件数 金額 奨学寄附金 24 25,500 28 58,961 116.7% 231.2% 受託研究 8 14,786 20 38,426 250.0% 259.9% 共同研究 8 6,283 11 37,223 137.5% 592.4% 科学研究費 補助金 10 21,900 16 34,900 160.0% 159.4% 計 50 68,469 75 169,510 150.0% 247.6% 1件当り金額 - 1,369 - 2,260 - - (注)奨学寄附金の繰越等のため、各年度の受入れ額と払出し額は一致しない。
(2) 奨学寄附金の受払報告 外部研究費の管理及び執行状況を明確にしておくために、収支簿を備える必要があるが、奨学寄附金では払出内訳表や受払報告書が収支簿の機能を担っている。ただし、払出内訳表や受払報告書の様式としては、支出費目別の内訳を示すことになっていない。 執行計画との対比もできるよう受託研究や共同研究と同様に支出費目別の内訳を示したものを作成することを提案する。
(3) 受託研究、共同研究に要する経費 委託者あるいは共同研究の相手先が負担する経費としては、当該研究遂行に必要な経費に相当する額及び管理経費とするとされている。 共同研究の海外旅費の目的に留学志願者との面接(大学院生の確保のため)が含まれるものが見られた。海外旅費自体はこの共同研究の執行計画でも想定されており、国際会議の出席や情報交換が主な目的である。共同研究の相手先に了承されている限り、国際会議出席とともに留学生志願者との面接を行っても契約上は問題ない。ただし、留学生の確保は共同研究の目的とは直接関係ないと考えられ、しかも必要であれば大学として予算化し、計画的に対応すべき性格のものと考えられる (学部留学生の確保は予算化済み)。大学院生を含めた留学生確保のための経費については、受託研究や共同研究から支出しないことが望ましい。
(4) 科学研究費補助金の収支簿 科学研究費補助金の収支簿は作成されているが、摘要欄の設備備品や消耗品の品名・数量、あるいは旅費の旅行者名や旅行先など、国の定める様式で記入することとなっている事項が一部省略されていて記入されていない例が見られた。関係証拠 書類との照合をしやすくするためにも収支簿への正確な記載が求められる。
(5) 受託研究、共同研究の収支決算 研究担当者は研究完了後、受託研究(あるいは共同研究)完了報告書とともに収 支決算報告書を学長に提出し、学長は市長に研究完了を通知することとなっている。受託研究についてはさらに市長から委託者に報告される。また、学長は収支決算報 告書に基づいて学部総括表を作成し、市長に提出することとなっている。 予算管理簿と収支決算報告書を照合したところ、金額としては一致しているが、研究のまとまり(予算管理簿での複数の研究を収支決算報告では1件としてまとめて行っている)や研究者名が一致しておらず、照合を難しくしている例が見られた。統一的な研究単位や研究者名で管理することが望ましい。また、総括の収支簿は学部総括表で代替されているが、管理上、奨学寄附金の受払報告書のような個別研究が一覧できるような収支簿を作成することが望ましい。実施した監査手続
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Sources: External Audit Report